三ノ沢岳・宝剣岳・木曽駒ヶ岳


山行日 2008年7月16日(土)〜27日(日)
参加者 ML仲間16名
山のデータ 三ノ沢岳: 2846.5 m
宝剣岳 2931 m
木曽駒ヶ岳 2956.3 m
ルート図 こちら 




三ノ沢岳


0日目 23:00 4:00
近鉄大和八木 (チャーターバス) 菅の台駐車場


1日目 5:45 6:20 6:40 8:35 9:00 11:00 12:25 12:55
千畳敷 極楽平 三ノ沢分岐 三ノ沢岳 三ノ沢分岐 宝剣岳 宝剣山荘 伊那前岳 宝剣山荘(泊)


2日目 5:30 6:00 6:50 8:30 8:45 11:20
宝剣山荘 木曽駒ヶ岳 (木曽福島Bコース) 玉乃窪山荘 7合目(避難小屋) 木曽駒高原スキー場


チャーターバスで出発

関西山系ML仲間達が バスをチャーターしての山行を企画した。こう云う企画は、2005年の鳳凰三山以来2度目だ。
何と言っても、「車の運転不要」、「下山後にビールが飲める」 と云うのが この企画の最大の魅力。

近鉄大和八木駅で 寝酒と翌朝の朝食を買い込み、チャーターバスに乗る。 名阪針IC、四日市ICなどで 追加乗車があったが、四日市ICでは、すでに睡眠モードに入っており、あまり記憶に無い。 その後も熟睡で、次に気付いたのは菅の台駐車場。

始発バスには多数の人々が並んでいる。 要領の良いEさんがタクシーの運チャンと交渉して、総勢16名が4台のタクシーに分乗して、しらび平へ。
ほとんど 一番乗りで、なんと 始発のロープウェイに乗車し、5:30には千畳敷に到着。


高度順応できない 千畳敷〜極楽平


当初はロープウェイの待ち時間に済ませるつもりだった 朝食を千畳敷で摂る。ピッケル君はコンビニの「稲荷寿司」。 風が強く非常に寒い。

千畳敷は、2002年に両親と愛娘と一緒に果たしたアルプスデビューの想い出の場所

前回は八丁坂を登ったが、今回は極楽平への登山道を上る。 ロープウェイで一気に2600Mを越えているので、高度順応が不十分で 頭がフラフラ。総勢16名の最後尾を歩く。

登山道沿いのチングルマが美しい。

極楽平で一本取った後、三ノ沢分岐へ


絶景の三ノ沢岳への尾根歩き

三ノ沢分岐には遭難碑が立っており、その向こうに宝剣岳、中岳、木曽駒ヶ岳の岩稜が聳えている。 三ノ沢分岐〜三ノ沢岳の往復ピストンは まさに稜線漫歩。 南西方向に三ノ沢岳、 北西方面に宝剣岳・中岳・木曽駒ヶ岳・木曽前岳へと続く稜線、南方面には檜尾岳・熊沢岳・空木岳が見渡せる。

三ノ沢分岐へ到着時には周辺はガスに覆われていたが、三ノ沢岳方面に歩を進めるに従い、ガスも切れ 青空と雲と山々の絶妙のコントラストを楽しめる。 高度にも徐々に順応したようで、呼吸も大分楽になる。 


三ノ沢分岐から 眼前に宝剣岳・中岳・木曽駒ヶ岳 チングルマの向こうに ガスの 三ノ沢岳
三ノ沢岳
雲と青空のコントラストが最高
遠くから順に 
空木岳、熊沢岳、檜尾岳、 島田娘
木曽駒ヶ岳〜中岳〜宝剣岳 木曽駒ヶ岳〜中岳

三ノ沢分岐から2時間ほどの行程で、三ノ沢岳に到着。30分以上も前に到着していた健脚組みと囲炉裏のバンダナショットを撮影。


この辺りからメンバーの盛り上がりは最高潮 \(^o^)/


核心部: 宝剣岳を越えて宝剣山荘へ

11:00 楽しい稜線漫歩を終えて三ノ沢分岐に戻ってきた。 ここで軽く昼食を摂り 本日の最大の山場である宝剣岳へと向かう。 寝不足と酸素不足で食欲低下気味だったが、Kさんから「柿の葉寿司」を頂き 元気百倍。 疲労時には これが一番!

お疲れモードのHKさんの荷物を皆で分担。 ピッケル君も分担したかったが、千畳敷で、いつものようにNB姉ぇさんから、宴会用食料の共装分担を受け持たされており、残念ながらザックに空きスペースが無い。


気合を入れて宝剣岳へ いざ出陣。 隊長のDPさんが、Dさん、TBさんにHKさんのサポートを指示。 そういう隊長は、ザックからザイル、シュリンゲを出してHMさんのサポート。HMさんを挟むようにピッケル君に最後尾を勤めるように指示。 

「うぅ〜 大丈夫ヤロカ?」 「アルプスの岩場は初挑戦なんやけど?」  不安が心の中を駆け巡るが、すでにD隊長は歩を進めている。 ピッケル君も覚悟を決めて出陣だ。

取り付きは足場も手がかりもしっかりしており、「なんや こんなん 楽勝ヤンカ?」てな 感じでグングン登る。 時々、先行の仲間が渋滞で待っている間も、 「何で こんな楽勝のところ 時間がかかんネン?」なんて 余裕をぶっこいていた。

急に難所の鎖場で前を行くHMさんが立ち止まる。 岩場への足の上げ下げと恐怖感で足が攣ったと言う。 仕方が無いので、ピッケル君も立ち止まって、ふっと 周囲を見渡すと足元の東側は断崖絶壁 (^_^;)。 落ちたら助からない場所で停滞中だ。

「HMさん こんな怖いところで止まらんと 先へ行ってんか?」と 心の中で叫ぶ。

心の中の叫びとは裏腹に 「HMさん 大丈夫ぅ〜!」 「ゆっくり。。。。。 ゆっくり。。。。」 なんて 優しい声をかけながら HMさんの様子を見てみると

「ガァ〜ン 。。。。。。。」  (恐怖で顔が引き攣っており、唇は紫色 (;_;)  さらに その紫の唇が震えている

 (だっっ だいじょうぶ ヤロカ?)

普段は 冗談ばっかり おちゃらけ ピッケル君のことを 「ぴ〜ちゃん」などと呼んで からかって下さるお姉ぇ様。 そんなHMさんが、ピッケル君の呼びかけにも 「ハイ!」 「ハイ」の従順な返事しか帰ってこない。

 (こっ こらぁ〜 相当に 危ない状況やなぁ〜)

ともかく 上からDP隊長がザイルでサポートしながら 足場、手がかりを支持。 下からピッケル君が足場を確認。 何とかかんとか難所をクリア (。。。。。 っほっ) と 思うの束の間、 次は鎖伝いに約10M位の岩場をほぼ垂直に下降(写真左)。

 (こんなところ 降りるんムリちゃうの???) またもや 崖っぷちの上で停滞。

ちょうど下から4名が登ってくるので 下降の順番待ち。


隊長Dさんが 今度は上からHMさんを指示して、HMさんが先に降りる。 どうやら 恐怖の一線を越えたらしく、ずんずん 垂直の岩場を下降するHMさん。 それに続くDP隊長。 やっとピッケル君の番。 崖の上での待ち時間が長かったので 今度はピッケル君の恐怖感が最高潮。

 (キョエー!!? ムチャクチャ 怖い) ほとんど泣きそうになりながら下りました。 

やっとの思いで 宝剣岳に到着。 最後尾隊で集合写真。 先行部隊はすでに下山にかかっている。

宝剣岳からの第一関門は 「蟹の横這い」風の岩壁。 鎖の付いた水平岩壁を10M〜20Mほど 横這いで越えなければならない。 例によってDP隊長、HMさん、ピッケル君の隊列。 しかし、後には健脚風の男性2人が待っている。 渋滞気味で申し訳ない とは 思うものの、また難所で止まったら 怖くてたまらない。

後で待ってもらっている男性2人には申し訳ないが、前を行くHMさんが 完全に難所を越えるまで待機。 HMさんがクリアした後、一気に渡る。 恐らく 今度はピッケル君の唇が紫色だったに違いない。。。。。。。 (;_;)


宝剣山荘到着 (伊那前岳ピストン)

宝剣山荘に到着後は 真っ先に 生ビールで乾杯 \(^o^)/。 

一旦、部屋に荷物を置いた後、DPさん、スロトレさん、RINさんと、目の前にある 伊那前岳に散歩に向かう。


伊那前岳から 千畳敷カールを眺める 伊那前岳から 馬ノ背・将棋頭山・茶臼山へと続く尾根


イワギキョウと宝剣岳


宝剣山荘で宴会

宝剣山荘に戻ると、小屋の外でML仲間の宴会が始まっていた。 途中で囲炉裏の別働隊の方々も参戦し、煮干の網焼き、チーズクラッカー、味噌コンニャク、チヂミ などを肴に 夕食まで賑やかな宴となった。

山荘の生ビールに始まり、スロトレさんのバーボン、焼酎などなど お酒の種類も豊富だ。

山荘の部屋はML仲間16名で 6名部屋が2つ。 6名部屋に8名が寝る状態。 先週の笠ヶ岳山荘に比べれば快適だ。

酔い醒ましに夕日を眺めに行くと言うDPさんが 戻ってくるのも知らぬまま 食後にそのまま眠りについた ZZZZzzz......


最高の御来光

目覚めると4時過ぎ、外を見るとうっすら明るくなっている。 すでにDPさんと、Eさんの姿が見えない。 慌ててカメラを持って、外に飛び出す。
天気も良く バッチリ御来光が見えそう。 しかし、眼前の伊那前岳が ちょうど 御来光を遮るようだ。 伊那前岳に行くか、宝剣岳へ登るか 思いを巡らせるが、本能的に近くにある宝剣岳を登り始める。

登り始めるとキリがない。 登れども登れども 伊那前岳が邪魔になる。時間とともに空がどんどん赤く染まり、東の空を眺めては上へ上へ。 気付くと ほとんど山頂直下まで登っていた。

やっと伊那前岳より高度を上げたようで、伊那前岳の向こうに ちょうど御来光が見える。 南側には南アルプスに続いて富士山が見える。 またまた 感動の嵐。


夜明け前の富士山と塩見岳 甲斐駒ヶ岳・仙丈ヶ岳・北岳・間ノ岳・農鳥岳・富士山
伊那前岳の向こうから昇る御来光 木曽前岳の向こうに 朝日に染まる 木曽御岳


いつまでも御来光を眺めていたいが、朝食は5時からと聞かされている。 写真だけ撮って慌てて山荘に戻ると、 山荘の前でも 御来光はバッチリ見えたと言う。 ちょうど伊那前岳の左側から出てきたらしい。 結果論てきには、御来光を見るのには中岳方面に登るのが正解だったのでは無いだろうか?

中岳から木曽駒ヶ岳へ


山荘で朝食後に中岳へと出発。 宝剣山荘から中岳付近には、コマクサが多数咲いている。色の濃い花、薄い花、など咲き方も様々で目を楽しませてくれる。

20分ほどで中岳に到着するが、ガスで付近は何も見えない。 2002年の山行では、まだ幼かった娘にここで待っていてもらったっけ?

6:00 木曽駒ヶ岳山頂に到着するも ここもガスで何も見えない。 そういえば2002年の山行もガスで何も見えなかったなぁ〜?


木曽福島Bコースを下山

木曽駒ヶ岳山頂で集合写真を撮り、玉乃窪山荘を経て木曽福島Bコースを下山。 時間経過とともにガスが晴れていき、名残惜しく ガスが切れていく木曽駒ヶ岳山頂を何度も振り返る。


何度も振り返りながら下山 時間と共にガスが晴れ
7合目半の雪渓を越えて 振り返ると すっかり 晴れ渡った 木曽駒ヶ岳 山頂


幸ノ沢の堤防を渡ると林道歩き。 この後、雷が鳴り出し 夏の典型的な夕立。 ザァ〜と 激しい雨脚で あわててレインコートを着込む。20分ほど本格的に降った後、木曽駒高原スキー場に出る頃はすっかり止み、青空となる。 レインコートの着干ししたまま、我々を菅の平で我々を降ろした後に、回送してくれたチャーターバスが待つ高原スキー場駐車場に無事到着。

寝覚めの床が見渡せる蕎麦屋で、ザル蕎麦とビール。 下山後のビールがとてつもなく美味い。 いつもは車の運転でビールはご法度だが、今日はチャーターバスなので飲み放題だ。 さらに「ねざめホテル」で汗を流し、またまた缶ビール。

チャーターバスの中でも 賑やかに飲みながら帰宅しました。

木曽駒のお花たちは こちら 


お楽しみ:

・宝剣山荘の生ビール: 800円
・ねざめの床のざるソバ: 800円
ねざめホテルの温泉: 500円










ピッケル君のアウトドア


























inserted by FC2 system