ピッケル君のアウトドア



鳳凰三山

(薬師岳 2780 m)
(観音岳 2840.4 m)
(地蔵岳 2764 m)

2005年7月29日(土)〜7月30日(日)
参加者: ML仲間15名


鳳凰三山の象徴 オベリスク


ルート:


1日目:
       6:10          7:20      10:40    11:20    12:00        13:40
  夜叉神峠登山口 → 夜叉神峠小屋 → 苺平 →  南御室小屋(昼食) → 薬師岳小屋(泊) 

2日目:
              5:45     6:25       7:50          8:10         9:00     13:40      
  薬師岳小屋 → 薬師岳 → 観音岳 → 賽の河原 → 地蔵岳(オベリスク) → 鳳凰小屋 → 青木鉱泉
 




紀行文

南アルプス デビュー
関西山系MLのDPさんが、鳳凰三山ツアーを計画。 それを見て、次から次へと参加希望で、総勢15名が大集結することになった。当初は車4台に分乗して行く予定だったが、参加者が多いことで急遽、マイクロバスをチャーターして、バス登山となる。チャーターバスのおかげで快適に睡眠も取れ、芦安温泉に到着。 村営バスに乗り換えて、さらに南アルプス林道を夜叉神峠まで。

登山口からは、かなりの急登、左右が植林帯で気分も滅入る。 夜叉神小屋までは約1時間、同行のHさんが車酔いでグロッキーだったにもかかわらず、ほぼコースタイム通りの行程だ。 さすがに、この関西山系MLメンバーは健脚ぞろい。 


夜叉神小屋前の広場から白峰三山を
手前はヤナギラン
半年ぶりの富士山


夜叉神小屋の西側斜面には「ヤナギラン」が咲き乱れ、その向こうには白峰三山が聳えている。 生憎と北岳だけは、雲がかかって拝めない。 夜叉神小屋を過ぎると、先ほどまでの急登は一段落で、比較的緩やかな尾根歩き。 途中、東側の展望が開けている場所に出ると、埼玉単身赴任時代にお世話になった富士山展望と半年振りの再会。 やはり、富士の見える山歩きは楽しいものだ。

夜叉神小屋からは、ダラダラとして感じの登りが続く。登山道沿いには、ヤマホタルブクロ、ミヤマオダマキ、イワオトギリなどの花があり、約4時間ほどのアルバイトで南御室小屋に到着。小屋の南西側にはきれいな「南アルプスの清水」が湧いていた。手と顔を洗って、口にふくむと、とてつもなく冷たい水で、いっきに疲れと暑さが吹っ飛ぶ。 本当にここの水は最高の味。 


南御室小屋
写真右手に水場があり、冷たさ満点


南御室小屋から、本日のゴール地点である薬師岳小屋は、親子での経営らしい。 なにやら経営者の知り合い(?)らしい方が、刺身や甲府ワインなどの御土産を歩荷して届けている。 御相伴に預かりたいものだ。。。。

満開のタカネビランジ
砂払岳手前あたりから一気に視界が開けて、どうやら森林限界を超えたようだ。 砂払岳周辺の砂礫の斜面には、あちこちに薄ピンクの可憐な花がアチコチに咲いている。花に詳しい同行のPさんによるとタカネビランジと云うらしい。まさに南アルプスの特産種で鳳凰三山の代表的高山植物らしい。 他の植物がまるで生息できない厳しい環境(高所、強風、砂礫地帯)に咲く様子は、コマクサにも通ずるものがある。


墓石のような岩を取り囲んで咲く
タカネビランジ
左が観音岳、右端が薬師岳
その手前には薬師岳小屋が見える


砂払岳を過ぎると薬師岳小屋はすぐ目の前だ。 岩稜帯の大岩に立つと、薬師岳や観音岳が見渡せ、薬師岳へ向かう手前の鞍部に本日の宿泊場所である薬師岳小屋が見える。

薬師岳小屋には2時前に到着。 登山口からの総行程では7時間30分程度かかっているが、ゆっくりペースだったので、ほとんど疲労感は無い。 この分なら、単独で観音岳へのピストンくらい出来そうな感じ。。。。 とりあえず他の仲間が到着するのを待つ間に 小屋で缶ビールを買って乾杯。 達成感に浸って飲むビールは最高だ。

小屋に荷物を入れて一段落すると、激しい夕立が音を立てて降りだす。 雨脚はどんどんと激しくなり、到着する登山者はすっかりびしょ濡れ状態。 早立ち、早着の原則はこんなところに活きてくるのかなぁ〜? それにしても早くに到着してラッキー、ラッキー (*^_^*)

こんな状態でもD兄ぃは、焦らず騒がず あてがわれた畳半畳ほどのスペースでどっしり仮眠をとっている。左党のEさんと目が合うと、「一杯ヤラヘンけぇ〜 わし ブランデー持ってきてんネン」。 まだ3時過ぎだと云うのに食堂に10名ほどが集まり ミニ宴会が始まった。

今日は満員で夕食、朝食は小屋に到着した順に3セットに分けて準備されるとのこと。 我々のグループはもちろん第一グループで、夕食・朝食ともに5時半から。 ミニ宴会を切り上げ、そのまま夕食に突入。


荘厳な薬師岳の夕陽と朝陽

夕食後には酔い覚ましをかねて、薬師岳山頂までサンセットツアーに行ってみる。 「アルプスに来たら、この景色を拝まんとなぁ〜」、「ホンマ最高やでぇ〜」とはD兄ぃさん。 とにかく胸がいっぱいで、涙が溢れてくるようなサンセット。 仲間も思い思いに景色を堪能していた。


サンセットツアーの仲間たち 正面は農鳥岳
私のシルエット(Dさん撮影) 間ノ岳に沈む夕日


サンセットツアー後は、全く記憶が無いくらいにバタンキュー。山小屋は半畳程度しか寝床が当たらなかったが、朝まで1度も目が覚めなかった。 ちなみに7時半就寝で4時半に目が覚めたので、9時間も睡眠を取ったことになる。

目が覚めたものの、まだまだ寝ている人が多いので、外に出てみることにする。 外は雨も上がり、月がばっちり。この分なら、ご来光も拝めそうだ。 朝食時間は5時半だから、サンライズに重なるかもしれないなぁ〜。 なんて思いながらグズグズ。 薬師岳は朝食時間を考えると厳しいので、砂払岳への巨石にご来光を見に行ってみると、なんとドンピシャのタイミングでご来光が始まった。 あまりに慌しいタイミングでのご来光で、いつものように感涙に浸る暇もなかった。


砂払岳より ご来光 モルゲンロートに染まる白峰三山
(左から農鳥岳・間ノ岳・北岳)


予想外の好天に恵まれ快適な天空散歩
前日、薬師岳小屋到着時点では、2日目の天候は小雨混じりで展望は諦めていた仲間たちであるが、朝から絶好の天気に恵まれ快調な出だしとなる。ML仲間は「モーゼの再来」、「晴れの神様」などと崇められているM兄ぃさんの御利益だと信じている。 

朝食をさっさと済ませ、薬師岳山頂へと出発する。薬師岳山頂でワイワイ・ガヤガヤ記念撮影をするが、10名以上も集うとなるとなかなか意思統一が困難だ。


薬師岳山頂で白峰三山を背景に集合写真 観音岳を目指して稜線歩き
観音岳山頂から
(左:甲斐駒ケ岳  右にオベリスク)


薬師岳〜観音岳〜地蔵岳の稜線は、本当に「天空散歩」の気分で歩くことになる。 時間とともに白峰三山の最南端である農鳥岳が遠ざかり、北岳は角度を変えながら、常に我々を見つめ続ける。 地蔵岳に近づくにつれて、眼前に甲斐駒ヶ岳が迫ってくる。 その迫力は何とも云えない。観音岳に到着すると、ついに今回の縦走路のハイライトであるオベリスクを視界に捉えることができる。

薬師岳から2時間程度の天空散歩で、地蔵岳手前の賽の河原に到着。 地蔵岳山頂のオベリスクは完全な岩場でロッククライミングの素養がないと厳しいと云う。 そのまま鳳凰小屋へ向かうグループから離れ、M兄、HC姉、TN君、K姉、NB姉などの精鋭部隊と共にオベリスクにチャレンジだ。 「何としてもオベリスクの頂点に立ってヤル」との意気込みも虚しく、ロープの架かった大岩を前に、足がすくんで 敗退を決心。 (こらぁ〜 ちょっと ホンマに無理でっせ!)  (-_-;)


オベリスクにチャレンジするも無念の敗退


青木鉱泉で汗を流して
鳳凰小屋で仲間に追いつき、ここからは長くて厳しい下りが延々と続くドンドコ沢の下山ルート。 途中で五色滝、白糸滝、南精進滝などの激しい水飛沫が、疲れを癒してくれる。 それでも鳳凰小屋からは4時間以上のロングラン。 右膝に持病のある関係で右足先行で下山するため、南精進滝に着く頃には左太ももの筋肉がパンパンでビッコを曳き曳き歩くハメに。。。。。

最後は青木鉱泉で飲むビールをモチベーションに痛む左右の足をだましだましの下山。 青木鉱泉の風呂上りのビールが何よりも美味かったことは云うに及ぶまい。

帰路は、またまた快適なチャーターバス (*^_^*)   カラオケまで楽しんじゃいました (^_^)v


鳳凰三山の野草


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